「有難うございました。」


 店員さんに見送られて、お店をあとにした。手には、ラッピングされたネクタイ。


 心結と別れて、悩むこと30分。
結び目に模様が出てくる、シルバーのネクタイを買った。


 きっとお洒落な海斗さんに似合うと思う。


 「心結お待たせ。」


 待ち合わせのカフェに、心結はもう待っていた。


 カフェで、1時間くらいおしゃべりをして、心結と別れ、家にかえる。


 メールが届いた着信音が聞こえて、カバンから取り出すと、海斗さんからだった。


 『休みだからって、遊びまわるんじゃあないぞ!
しっかり予習しておくように!!

後、数学のテストもう一度やるからな。 海斗』

 メールの内容を読んで、さっきまでの幸せな気持ちが一気に下がる。


 『こんばんは。今から、しっかり勉強します。海斗さんも、あんまり遊び過ぎないよして下さいよ。もう、若くないんだから。 紗姫』

 小さな反抗のメール。


 また、メールの着信音が響く。


 『お子チャマは、とっと風呂入って寝ろ。

 あんま勉強無理するなよ。 海斗』

 メールを読んでいると、無性に海斗さんに逢いた