「はい、文句を言わないで、さっさとやる。閉館までにやるように。」


 私は、溜め息を一つ付いて、目の前のプリントに集中した。


 「終わった~。」 

 5枚のプリントを全部解いた。今の自分の力を出し切った。固まってしまった体を伸ばす。


 「お疲れさん。」

 隣で、勉強していたと思われる海斗さんが、優しく笑った。


 「じゃあプリントと出して。」


 出来たプリントを渡す。


 それを受け取った海斗さんが、時計を見る。19時を差そうとしていた。

 「じゃあ今日はここまでにしょうか。」


 その一声に私はニッコリと笑った。


 「やったー!勉強終わり。」


 そんな私を見ていた海斗さんは、


 「ちゃんと家に帰っても、勉強しろよ。
あと、明日までにこれやっとけ。」