私を置いて、さっさと前を歩いて行く男の後ろ姿を、呆然と見ていた。


 「お前早く来い。」


 私も急いで、後を追った。


 今私達はなぜか、向かい合って座っている。でも、何を話していいのか、分からないので、沈黙が続く。


 その時、沈黙を破ったのは向こうだった。


「昨日は悪かった。簡単に諦めろて。高校生活は一生に一度しかないのにな。」


 素直に誤って来たので、さっきまであった、怒りが消えていく。


 「もう、いいです。今日学校で、先生から、進路変更を考えるようにと話しもあったし。」


 「簡単に諦めるなよ。どうしても、お前は、その学校に行きたいんだろ。」