スタートラインに立つと、心臓が凄い速さで、脈打っている。


 スタート合図の生徒が、音しかならないピストルを空に向かって上げと。


 「位置に着いて、用意。」


 『パンッッ。』


 乾いた空に、響き渡る音と共に、一斉に走り出した。


 200M走ったところに、茶色封筒が置いてあって、みんなそれぞれ、一枚拾って、中身を確認していた。


 迷うヒマがないので、私も一番最初に目に付いた封筒を拾う。