ゆっくりと、教室に入る。 本音を言えば本当は休みたかった。 この教室でいると痛々しいほど鮮明にあの頃の記憶が蘇ってくる。 良い思い出も、悪い思いでも。 「おはよう、湊」 湊の前に本当に高校生かと疑ってしまうほど小さい少女が立っていた。 湊はわざと築かないふりをして、周りをキョロキョロと見渡す。 「空耳か・・・・痛っ。ちょ、ちょっと腹パンはひどいんじゃないんですか、雪さん。」 「いやいや、君が悪いんだよ?気づかないふりだなんて、古典的な嫌がらせをするからだ。」