「お母さんどう?おかしくない?」


私自身は冷静を保っていたつもりだったが


「どれだけ嬉しいのかなんて聞かなくてもわかるわね」


と笑いながら、最後にはおかしくないよと言ってくれた。


「今の琴里を見ていると昔がなつかしく思えるわ。新しい服を着る度にお母さんの周りで飛び回りながら「お母さんどう?おかしくなぁい?」って聞いてたの」


そんな思い出話をしながらコーヒーを出してくれた。


トーストで焼かれたパンには少し焦げ目がついている。

母は

「少し焦げた方がおいしいのよ」

と昔から言っていた。