それで見せられたのが、例の飴のパッケージ。
.......そう。冒頭でわたしが持ってた袋ですよ。
『この飴を舐めれば、大好きなあの人がアナタのことを好きになっちゃうかも!?』
なんて狂った歌い文句を躍らせるカラフルでポップな飴の袋ですよ。
「.......えっとね。実はそれ、圭人に食べさせちゃって」
えへ、と笑う顔は可愛いけど、言ってることは悪魔的。
......斎賀くんに食べ、させて?
「え?」と聞き返したわたしに、
「ネットで買ったんだけど、初めは信じてなかったんだよ!惚れ薬入りだなんて!」
「でも!もしかしたら〜って思ってさ!」
「軽い出来心?いたずらこごろ?だけど、百地さんを巻き込むつもりはなかったの〜」
三人は口々に暴露した。
──つまりはそういうことだった。
斎賀くんは飴を食べて、初めて見た人を好きなるとかいう胡散臭い飴を三人組から騙されて食べさせられて、運悪くわたしを見ちゃった......と。
で、効能は本物で、わたしに惚れちゃった......と。
な、なにそれ!?
斎賀くんがかわいそうすぎる。
