君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。

今すぐ戻りたい。
方法が無くても戻らなきゃ。

彼がなんと言おうと、私には私の使命がある。
となると、まずは手がかりを集めるところから始めよう。

「私を待ってたって言ってたよね?
それってどういうこと?」

彼を探って、戻る方法を見つけるしかない。

「今夜、君が来ることはわかってた。
この本を見てくれ」

開いたのは古くて分厚い絵本。表紙には金の文字で“リンタールの救世主”とタイトルが記されている。

「これは王家に代々伝わる物語なんだ」

ページをめくると、可愛らしい絵が描かれている。
読み進めていくと、大きな鏡の絵が目に入った。

これって、この部屋…?
鏡も、窓から降り注ぐ月明かりも、今いる場所と一致している。

物語の内容はこう。

かつて他国の支配下にあった王国は、あらゆる手段をとって独立しようとしたが全く歯が立たなかった。

城も取り上げられ、居場所を失った王族は、鏡の部屋で日々を暮らしていた。
虐げられながら、どんどん生きる気力をなくしていく王族。

そんなある日、突然鏡の部屋に一人の女性が現れた。