「神楽弥、本番だよ」

「はーい」

右の手首に目を落とす。

リンタールの歌姫。
その文字は私に勇気をくれる。

どこにあるのかわからないあの世界で、今日も彼らは暮らしてるんだろう。

彼らに恥じないように、私も頑張らなきゃ。

よし。

深呼吸をして舞台にあがる。

そして、今日も私はスポットライトを浴びて歌を届ける。