…カナト。

背中が押された気がした。

泣きそうになるのを堪えて、歌で表現する。

きっとどこかでまた会えると信じてるヒロインの気持ちを。

歌い終えると、客席からはすすり泣く声が聞こえる。

出番が終わって舞台袖に戻ると、スタッフもちらほらと泣いていた。

「神楽弥ー。
いつからあんなに表現できるようになったんだー」

厳しい顔しか見せない監督までも泣いてた。