君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。

「それで、ナツキ王子には何もされなかったか?

怪我はないみたいだけど…」

部屋に戻ってきたはいいけど、私は答えにくい質問をされていた。

「あ、その…。
うん何も…」

「ふーん」

明らかに疑ってる。
私って嘘下手だな…。

「その…。
恋愛感情がなくてもキスくらいできるって言って…」

「されたのか!?」

声が裏返ってる。

「あの王子!
あと二発は殴っておけばよかった」

握った拳がわなわなと震えてる。

そこまで怒ってくれるのは、嬉しいかも。

「神楽弥」

他の男の記憶が残ってるのなんて、おかしくなりそうだと言われた気がする。
曖昧なのは、記憶が飛ぶほど深いキスをされたから。