リンタールに戻りたい。
カナトの声が聞きたい。

ぽつりぽつりと、ある歌のフレーズを口ずさむ。

とあるミュージカルの劇中歌。
天から弟子を見守りながら、弟子の行く先が間違っていないことを示すその歌。
短いけど、その中に温かいまなざしが籠っている。

心が挫けそうになったときに、元気を出すために聞いてた。
この歌を聞きたくなるのはいつも追い詰められた時。

私の中に渦巻いた孤独感や、耐え難い圧迫感と向き合わせてくれた。
そして、私を成長させてくれた。

今も、こうやって歌ってると少しずつ不安が消えていく。
私はこの世界で、一人じゃないから。