それから、いくつものお店を回って、色んなものを食べた。
珍しい楽器にも触れることができたし、町の人とも一緒に踊れた。

「ふぅ。

全部見て回れないくらい、たくさんお店があるね」

「短期間で、よくここまで準備できたよな。
皆、生き生きしてて何よりだよ」

「カナトも神楽弥も、少し休憩したらどうです?」

途中から合流したシンの提案を受けて、ベンチに座る。

幸せな時間がゆっくりと流れる。

でもそれは、長くは続かない。

落ち着いたのも束の間、ひとりの兵士が駆けてきた。