…、眠れない。
こうしてベッドに転がったまま、どれくらい経ったかな。

カナト…。

ぼーっと天井を眺めていると、ゆっくり部屋の扉が開いた。
そして静かに閉じられた。

帰って来たんだ。

こっそり姿を確認する。
本棚の横にある引き出しを開けて、何かを見てる。

「カナト…?
おかえり」

「あっ…、う、うん。
ただいま」

かなり慌てた様子で持っていた本らしき物を引き出しにしまった。

あ…。

声をかけるの、やめた方がよかったかな。
そんなに見られたくないものだったのかな。