君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。

「かーぐや」

部屋に入る寸前でシンに声をかけられた。
ずっと姿を見なかったけど、どうしてたんだろう。

「やっぱり元気なくしてる。

腹黒い王子とか、妄想が暴走してるお姫様とか。そんな人達が言うことなんて気にすることありませんよ。
聞き流してください」

「うん…」

気にしないようにしようと思ってそれができたら、どんなに楽だろう。

そう考えてしまって、返事も上の空になる。

「本当にわかってます?

それから…。
いや、これはまた今度話します。
今日はもう寝た方がいいですよ」

背中を押されて部屋まで連れて行かれる。
全てシンに言われるがままに、布団にもぐった。