君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。

でもここで聞いておかないと、カナトが教えてくれるとは思えないんだよ。

怖い顔してるかな?
恐る恐る顔色をうかがってみる。

あれ、笑ってる?
かなり黒い笑みだけど。

そんな笑みを携えたまま、一歩こちらに寄ってきた。

そこまで近い距離じゃないけど、どきっとする。

「俺の所に来い。
そしたら教えてやる」

「え?」

俺の所に来いって、どういうこと?

頭が追い付かなくて聞き返すけど、ナツキ王子はそのまま行ってしまった。

取り残された私の頭の中では、ナツキ王子の言葉がぐるぐると回ってる。

何だったの?

ドキリとしたのはなんで?

まずい。
早くカナトに戻ってきてほしい。
このまま一人でいたら、どんどん思考の深みにハマっていきそう。

なんて、不安になっても、カナトはまだ帰って来ない。

…そうだよね。
婚約者と一緒なんだもんね。