子犬男子に懐かれました




次の日、私は上司と再び一ノ瀬さん宅を訪れていた。


「高倉さん大丈夫ですか?」


半日出勤で今日は土曜日。

学生は休みだから、家には花ちゃんがいた。


「え、大丈夫ですよ」


「ほんと?なんか凄くたまに目線が下の方でボーッとしてたので」


「えっ、すいません。お仕事中なのに私……」


「いいよいいよ、お母さん高倉さんの上司さんと世間話してますし!」


チラッと 上司の方を見ると、楽しそうにお喋りしていた。


「ねぇ高倉さん、壮ちゃんと何でそこまで仲いいんですかっ?」


……っっ、

こ、ここで壮介くんの話題…っ、


「壮ちゃんところも高倉さんのお客さんとかだったんですか?」


「違うよ。壮介くんは……その……なんていうか、私が道端でうずくまってる壮介くんを見かけて声かけた事がきっかけかな?」


「ぶっ、壮ちゃん道でうずくまってたんですか?」


「うん……何か胸が痛いって、よく分かんない事言ってたよ?」


「何それ笑える!」


ぎゃはは と笑い出す花ちゃん。


うん、確かに訳分かんなさすぎて笑えるよね……