出ないと…っ
そう思って手を伸ばした時だった。
「皐ちゃん聞きたくないの?」と、伸ばした腕を掴まれた。
「待って、それより電話かかってきてるから出ないと」
「……」
「壮介くん」
私が優しくそう言うと、掴んでいた腕を離してくれた。
「すぐ終わるから、チョコでも食べて待ってて」
そう言って携帯を取り、着信に出た。
「あ、もしもしっ」
『さっちゃん?ごめんね、心配してもらってたみたいで』
「ううん、別にいいの。どうかしたの?」
『実はちょっと最近仕事が忙しくってさ、なかなか連絡できなかったんだ』
…そうだったんだ。
何かあったのかと思ってしまってたからホッとした。

