子犬男子に懐かれました



「いいいいいい!なに本気で脱ごうとしてるの?!全く……」


「だって皐ちゃん、俺の事へなへなのガリガリって思ってるから」


いや、本気で悲しい顔されても…


「ほら、もうそろそろ帰りな。さすがに両親心配するよ?」


「……帰らなきゃダメ?」


「だ、ダメ!いつでも会えるんだから大丈夫でしょ?」


「じゃあ明日も来ていい?」


う……そんな笑顔で言われると…、


「………い、いいよ」って言うしかないじゃんかーぁ…!


「よしっしゃ!学校終わったらまた遊びに行くね!じゃーね!皐ちゃん」

と、きっと彼のチャームポイントであろう八重歯を見せ、

ご機嫌良く帰ったかと思ったら再びドアが開いて戻ってきた。



「どうしたの?忘れ物?」


「さっきさ、皐ちゃん俺と初めて会った時子犬みたいだ。って言ったでしょ?」


「それがどうしたの?」


「実は俺ら、それよりも前に一度会った事あるんだよ」


「えーー…?」


初めて会ったのって、あの道草でうずくまってた時じゃないのーー?


「そんだけ。じゃね」


と、今度こそ行ってしまった





……なんっであんな気になる事を言い残して帰るかなーーー??!