子犬男子に懐かれました




「ん?皐ちゃんどうした?」



横から顔を覗かれる。


サッ と勢いよく顔を反対側に反らした。


今はそうじゃないーー、

好きだから…

1人の男性として、私……、かなり意識している。



「まって、あの……きゅ、急に近付かないでくれる?」



手のひらを壮介くんに向けて両手を前に突き出す。


「何で?」



少しずつ下がるが、トン と背中が壁にくっついてしまった。



「……今更恥ずかしい?」


「そんな…っ、」


「可愛い」


「……な、なに言って……」


「本当の事」



そう言って壮介くんは私の髪をふわっ と撫でた。