ママはおかしい。
「ママ、誰とお話してるの?」
ママは振り向くと優しく微笑んだ。
「大切な人だよ。」
「タイセツナヒト?」
「うん。ママにとってもパパにとってもすっごく大切な人だよ。」
やっぱり、ママはおかしい。
ゆうかにはまだ難しいことなのかもしれない。
すると、頭がまん丸のおじさんがやってきた。
「どうも、松井さん。いつもありがとうございます。」
「いぇいぇ。こちらこそ良くしてもらってありがとうございます。」
ゆうかには、まだこういう大人の人が話してる話は難しくてよく分からない。
パパ早く来ないかなぁ。
つまんないの。
「優香ちゃんも随分大きくなりましたねー。」
「はい。でも、まだまだ言葉とか覚えてもらわなきゃで大変ですよー。」
それからちょっとしてから、パパが歩いてくるのが見えた。
「パパー!!」
ゆうかはすぐにパパの元へと走り出す。
「よいっしょ」
パパはすっとゆうかを抱っこしてくれた。
ママとまん丸頭のおじさんは話が終わったみたいで、まん丸頭のおじさんは戻っていった。
「ママー!!」
ゆうかが呼んだのにママはこっちを見てくれない。
また、お話をし始めた。
「パパ、ママねタイセツナヒトとお話してるんだってー!」
「そうだな」
「でもママおかしい。」
話が終わったみたいで、ママがゆうかとパパのことを見る。
「…七海」
「なあに、パパ?大丈夫よ私は。少し話をしただけよ?」
「やっぱりママへーん!」
「どうしたの?ゆうか」
ママがこっちを見て訪ねてくる。
「なんで、ママはお石とお話してるの?」