「おはよー、夏山(なつやま)!」

「あっ! おはよう、春川(はるかわ)君!」

「今日も暑くね?」

「うん。もうすぐ9月も終わるのにねー」

「はぁー。早いよな。もう入学して半年だなんてさ」

「あっという間だよねぇ」


 春川君、今日も私に話しかけてくれた。う、嬉しいー!

 夏山柚希(ゆずき)、最高に幸せであります!

 だけど――


「春川君、おはよぉ」

「おう、おはよ」


 うっ、美人なコが来た!


「宿題やった?」

「バッチリ」

「あ! おはよー大和(やまと)君!」

「おはよ」


 こ、今度はキャピキャピ可愛い系!


「またあとでね!」

「おう」


 ――このとおり、会話を交わす女子は私だけではないのデス。


 春川君、今日もモテモテだなぁ。そこにいるだけで、いろんなタイプの女のコが寄ってくる。

 はぁーあ。何でこんなにモテるんだろう。でも、無理もないかぁ。

 優しいし、カッコいいし、優しいし(二回目)。


 私は、そんな春川君に――恋い焦がれていたりする。