「あのぉー。春川くーん……」
教室の出入り口から遠慮がちに呼んだけど、すぐに気づいてくれた。
「夏山。何?」
「これ、昨日借りてた教科書。どうもありがとう。ごめんね、いつも忘れて借りちゃって」
「いいんだよ、俺は全然。それに、わざわざ持ってきてくれてありがとな」
春川君は、何も疑いもせずに、ラブレター入りの教科書を受け取った。
や……やったぁー!
心の中でバンザーイをした。
確か春川君のクラス、次の授業は国語だったハズ。
てことは、いよいよラブレターに気づいてくれる……しかも授業中に。きゃー、どうしよー!
表に出さないように照れまくった。


