"サクラの花びらが地面に落ちる前に3枚取れたら願いが叶うって知ってた?"
そう言われてから私は大事なことがあると必ずサクラを3枚集めに行く
私は"ある人"に会うためにこの学校に来た────────
【2年前・冬】
その日はテスト最終日で、1限だけだったので風邪気味の中、どうにか学校へ向かおうと電車に乗った。
だが、体調がすぐに悪化してしまった。
だいぶしんどくなった頃学校の最寄りの駅に到着したアナウンスが聞こえた。
意識が朦朧としてきた上に朝の満員電車。
グイグイと押し出され、人に流されるがままに出ていたらふらっとバランスを崩してしまった。
サイアク…転ぶっ………
そう思い目をつぶった私に想像していた痛みはこなかった
「君、大丈夫か?」
と、誰かの声がした
そこからの意識は無い。
後々救護してくれた駅員さん話をに聞いたら、私は駅のホームで倒れ、近くに居た男性が助けてくれたらしい。
今日は急ぎだからと、名刺だけ置いていったとの事だった
私はお礼がしたいからと無理を言い、その名刺を貰って帰った
──── 本田 雅人 ────
公立高校の教師。
その高校は私の中学校の最寄り駅の1つ先の駅だった。
私、この人に会いたい───。
お礼なんて学校に電話すればいいことぐらい分かっていたし、いっそここと会いに行ってしまえばいいとも思った。
でも、私はそれよりも、何よりも彼と過ごす3年間を望んだのだ。
今思えば、マンガの読みすぎだったのだと思う。
恥ずかしながら、私は彼の事を
助けてくれた本田雅人先生を
「運命の人」だと思っていたんだ。
そう言われてから私は大事なことがあると必ずサクラを3枚集めに行く
私は"ある人"に会うためにこの学校に来た────────
【2年前・冬】
その日はテスト最終日で、1限だけだったので風邪気味の中、どうにか学校へ向かおうと電車に乗った。
だが、体調がすぐに悪化してしまった。
だいぶしんどくなった頃学校の最寄りの駅に到着したアナウンスが聞こえた。
意識が朦朧としてきた上に朝の満員電車。
グイグイと押し出され、人に流されるがままに出ていたらふらっとバランスを崩してしまった。
サイアク…転ぶっ………
そう思い目をつぶった私に想像していた痛みはこなかった
「君、大丈夫か?」
と、誰かの声がした
そこからの意識は無い。
後々救護してくれた駅員さん話をに聞いたら、私は駅のホームで倒れ、近くに居た男性が助けてくれたらしい。
今日は急ぎだからと、名刺だけ置いていったとの事だった
私はお礼がしたいからと無理を言い、その名刺を貰って帰った
──── 本田 雅人 ────
公立高校の教師。
その高校は私の中学校の最寄り駅の1つ先の駅だった。
私、この人に会いたい───。
お礼なんて学校に電話すればいいことぐらい分かっていたし、いっそここと会いに行ってしまえばいいとも思った。
でも、私はそれよりも、何よりも彼と過ごす3年間を望んだのだ。
今思えば、マンガの読みすぎだったのだと思う。
恥ずかしながら、私は彼の事を
助けてくれた本田雅人先生を
「運命の人」だと思っていたんだ。