「──おき 青木 涼」


「っはい!」

「涼、何ぼーっとしてたんだ、いるならしっかり返事しろ」

「すいません」

「そーだぞ返事しろっ!」


「黙れ、裕介」


「ひっでぇな〜」



「榎本ー、榎本サクラは来てないのかー?誰か知ってるやついるか?」

「しりませーん」


「全く1回目から遅刻か?じゃあ次…」





──ガラガラガラ




「すみません、遅れました」


凛とした声、ハッキリとした顔立ち、大きな目、長い黒髪も綺麗にストンと落ちている。


彼女は…さっきのサクラの子?



名前がサクラ…凄いなあとか
のんきな事を考えてるのはここまで…



「あ、榎本は窓側の空いてる所、涼の後ろの席なー」


「はい」



え、俺の後ろ…?! ドキドキ

いやいや、ドキドキってやばいだろ!



「よろしくね」



「よ、よろしく!」



「涼ちゃん、何キョドッてんの(笑)」



「うっせーな!別にキョドってねーし、噛んだだけだし!」



「いや、キョドってただろ!!」


「ちげーって!」



「こら、お前ら2人うるさいぞー」




「「 …すいませーん 」」



「クスッ」


「「ん?」」



「あ、ごめんなさい、面白くてつい…(笑)青木くんと佐賀くんってすごい仲良いんだね!」




この時初めて彼女の笑顔を見た────