「2人して溜息付かなくてもいいじゃん!ちょっとくらい聞いてくれてもいいのに!」
頬を少し膨らませ私達を子犬みたいな目で見詰めてくる
私はこの顔にとても弱い
そして恐らく実咲もこの顔に弱いのだろう
本人も無自覚でやっているから嫌いになれない
「そんな事言ったって、どうせいつものあの'' 噂 " の話でしょ?」
私達が住む桜ヶ丘には誰もが知ってる噂があった
「流石実咲!大正解!」
嬉しそうに実咲に抱き着こうとするが実咲に避けられしゅんとしてしまった
申し訳なさそうな顔の前で手を合わせて私を見てくる実咲
梨可のハグはかなり力が強いから避けたくなる気持ちも解る
そしていつも元気な梨可はしょげると中々復活しない
だから早めに話題を振ってあげないといけない
それはいつも私の役目だった
「梨可、人間の仕業じゃないってどういうこと?」
そう言うと梨可はぼそぼそと話をし始めた
