彼は、あたしの手を引いて飛び上がった。
あたしの足も一緒に地面から離れてしまった。
「え!?ちょっ…やめてよッ」
あたしは今彼と一緒に三メートルくらいの高さまで浮いているみたい…
初めての感覚で、怖くなってきた。
「ん?すぐ慣れるって。心配するな」
「やだっ!怖いーっ!!」
あたしはじたばた暴れてみた。
けど、やっぱり意味ないみたいで…
お構いなしに、校舎の方へ連れて行かれるだけのあたし。
「俺、東堂 蓮(トウドウ レン)だから」
「は…」
なんで今!?
今自己紹介なんかしてる場合じゃないでしょっ!
「蓮ってよべよな」
「上から目線!?トップの魔法使いだかなんだか知らないけどさ、一般人なめないでよね!」
「だから、お前は魔法使いだって言ってんだろ!」
蓮は急に止まった。
「今から、たぶんそれがよくわかってくるんじゃねーの?」
目的地に着いたみたい。
一番大きな建物の、三階の部屋の窓を開けて、あたしたちは外から中へ入った。
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