あたしは取りあえず、深呼吸をして頭の中を整理した。
えーと…
あたしは魔法使いで、
学園トップの『四天王』の婚約者…
やっぱりこんなの有り得ないから!
「おい、大丈夫かよ」
彼があたしの顔の前で手を振ってくる。
そうだよ…
これが夢じゃないんだったら、ここにいるのって危険だよね!?
「魔法使い」とかに関わりたくないからっ!
「あんたさ、魔法使いなんでしょ!?あたしをもとの場所に戻してよ!」
「は?ここがお前の『もとの場所』だ。お前が、魔法界に帰ってきたんだろ?」
「帰ってきた…?」
ぽかんとしているあたしを、彼は呆れた顔でみてくる。
「ほら、ぐずぐずしてらんねーし。来い!」
「え…っ」
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