「うわっ!やっぱりかっこいいなぁ」


PAを囲んだたくさんの女子の背後から顔を覗かせて、
美夏はPAに見とれていた。


「うーん。確かにかっこいいけど…」


なんか、好きになれない。


PAがお金持ちだからかなぁ。


あたしとは全く違った世界の人たちだから、かも。


「美夏は、PAが好きなの?」


「ちがうよっ。
なんていうか…恋っていうものじゃなくて、
PAはアイドルとか有名人的存在!」


「アイドル?」


あ、そっか。


他の女子はPAに本気みたいだけど、


美夏は有名人的な『好き』。


なるほどぉ。


なんて、あたしは心の中で納得した。


「結亜は、PA嫌い?」


「え?なんで?」


「ふふ。さっきから、しかめっ面してる」


わ…。


あたし、顔に出ちゃうタイプなんだよね。


「あたし、PAけっこう苦手かも」