「お前はお前だよ。優樹菜ちゃんにない天性の才能と、魅力がある。俺が言うんだから間違いないよ」
自信たっぷりに言ったカズの言葉に、綾乃はなぜか笑いがこみ上げてきて、クスクスと笑った
「やっと笑った。そんな風にわらえるんだろ?」
「カズさんだって、なんか優しいよ」
フフッと笑った綾乃の笑顔にカズは一瞬で心を奪われた。
その笑顔を閉じ込めたくて、ギュっと綾乃を自分の胸に抱き寄せた。

「ちょ……と……」
「綾乃、いろいろごめん。お前見てるとどうしてもうまく言葉にできなくて、傷つけてばかりで。あんなことが言いたい訳じゃなかったんだ。でも、自分を傷つけてばかりいるお前をなんとかしたくて……。それに嫉妬もしていたんだと思う」

「え?」

「急にきれいになったお前に、みんながお前のこと狙ってたから」

「はあ?誰が私なんて狙うの?」
あまりにも驚きすぎて、抱きしめられた胸の中で綾乃は顔を上げようとした。