「一旦休憩」
それだけを弘樹は言うと、和弘に声を掛けた。
「お前、今自分がどんな顔してるかわかってるか?」
「え?」
「まあ、いいよ。お前が連れてくと騒ぎが起きるぞ。三輪ちゃんにでも綾乃ちゃん頼めよ」

その言葉にしばらく晃は黙った後、
「別にいい。俺が連れて行く」
「バカ!今がどれだけ大事な時期か考えろ」
その言葉にようやく和弘は少し冷静になり、綾乃の顔を見た。
「うーん」
「綾乃?」
少し意識を取り戻した綾乃の顔を、和弘は覗き込んだ。
「ごめんなさい……」
「大丈夫だ。ゆっくり休め」

ふわりと笑った和弘の顔を見て、綾乃はまた綾乃は目を閉じた。

「三輪ちゃん、頼む」
「わかってるわよ」
ニコリと笑った三輪は和弘から綾乃を受け取ると、ホテルへと向かった。