三輪と一緒にラウンジに足を踏み入れると、
「綾乃ちゃん、おはよ。こっちくる?」
広樹の声にビクッと綾乃は肩を震わせた。

「おはようございます。」
なんとか、綾乃は笑顔で挨拶をし、広樹の隣の和弘をチラッと見た。
和弘は、何も言わず、朝食に目を向けたままもくもくと口に運んでいた。

「あー、三輪さんとちょっと話があるので、あっちで食べます。ありがとうございます。」
そう言うと、平静を装って離れた席に着いた。

三輪はクスッと笑うと、
「あたしに、話あるの?」
「すみません…。」
三輪は、優しい瞳で綾乃を見つめると、
「あたしでよかったらいつでも話きくからね。」
綾乃は、黙って頷いた。