「ちょっと、付き合って。もう、大学終わりだろ?」
ニヤっと笑った和弘の顔があった。

そのまま、Grandeurの事務所に連れてこられた。
個室に通されてマネージャーの藤堂と名乗る人と和弘に座るように促される。

「なんですか?」
綾乃は不信感丸出しで聞いた。

「いやそんなに警戒しないで。お金とか契約の話。竹田プロデューサーにって思ったんだけど、お父さんから、本人としてくれって言われて。」

(- お父さん。)

「それで?」
綾乃は淡々と聞いた。
「今回のCDについてなんだけど、カズとの共同作曲って形でいいかな?」
「・・・は??」
綾乃は驚いたように声を出した。
「カズからそう聞いてるけど。」