あたしはそう言いながら、すでに手を伸ばしていた。


「いつもいつもありがとう。ごめんなさいね、手伝わせてしまって」


「いえ、いいんです。今日はなにも予定はないですし」


そう言いながらお婆さんに歩調を合わせて歩き始める。


家はここからすぐの場所だ。


「いつもこんなに買い物してるんですか?」


「そうなのよ。お爺さんと2人暮らしなんだけど、お爺さんの方は足を悪くしてしまって、寝たきりなの。だから私が週に2回買い物に出て、必要なものを買っているのよ」


「そうなんですか」


若い人が一緒にいないと不便なんだろう。


お婆さんは今はとても元気そうだけれど、年齢が年齢だ。


無理は禁物だと思えた。


そうこうしている内に大きな平屋の家についた。


足が悪いというお爺さんの為に改装したのか、玄関にはスロープがついている。


「優しいお嬢さん、ありがとうね」


玄関前に立ちお婆さんがそう言った。


その周囲には金色の光が輝いていたのだった。