翌日。


あたしは昼前に目が覚めた。


リビングからはテレビの音と両親の笑い声が聞こえて来る。


どうやら2人の機嫌は完全に直っているらしい。


それを確認したあたしは2人に声をかけて外へ出た。


太陽が真上に移動してきていて、日差しがきつい。


あたしは眩しさに目を細めて歩き出した。


目的の場所は特にない。


だけど、家の中にいるだけだとなかなかポイントを貯めることができないから、外出してみることにしたのだ。


行くあてもなく、見慣れた街をブラブラと歩く。


路上に咲いている花を見つけたり、飛行機雲を見上げたりしながら歩く時間はとても穏やかだった。


いつも何時に出て何時までに学校に到着して、ホームルームが何分で。


と、気が付けば時間に縛られる生活を送っていた。


たまには時間を気にせず、こうしてのんびにとした時間を過ごすのも悪くない。


景色は変わらないのに、とてものどかな場所へ来たような感覚になる。