どうやらあたしは成功したらしい。


夜中、テンちゃんが現れてポイントカードに2つのスタンプを押すのを見てそう感じた。


2人の機嫌を上手にとる事ができたのだ。


模様替えが終った後の2人は金色の光に包まれていた。


「よかった」


あたしはテンちゃんからカードを受け取って安堵のため息を吐き出すと同時にそう呟いた。


「今日の蘭ちゃんは頑張ってたね」


テンちゃんがニコッとほほ笑んでそう言った。


「テンちゃんってば、いつもあたしの事を見てるの?」


「もちろんだよ。蘭ちゃんがいつも頑張ってることを、俺はちゃんと見てるよ」


真っ直ぐな瞳でそう言われると、なんだかくすぐったい気持ちになる。


と、同時に常に見られているという恥ずかしさが襲って来た。


「まさか、トイレの中やお風呂の中まで見てるんじゃないでしょうね?」


半分冗談で聞いたのだけれど、テンちゃんの顔が一瞬にして真っ赤に染まってしまった。


「な、なに言ってるんだよ! そんなの、見るわけないだろ!」


怒鳴るようにそう言い、そっぽを向くテンちゃん。


あれ?


もしかしてこういう話題に馴れてないのかもしれない。


イケメンの天使だからてっきりモテモテなのだと思っていたのに。