☆☆☆

「どういう事!?」


あたしは思わず大きな声をだし、そして慌てて手で口を覆った。


目の前に立つテンちゃんは困ったように眉を下げている。


「今日のポイントはゼロだよ」


テンちゃんがついさっきあたしに告げた言葉をそのまま繰り返した。


「なんで!?」


今日は10回は金色を見たはずだ。


やりたくもなイジメに加担して、美鈴たちを喜ばせもした。


それなのにポイントがゼロ?


そんなおかしな話が納得できるはずがなかった。


講義しようとした所、テンちゃんがスッと息を吸い込む気配がしてあたしは押し黙った。


「蘭ちゃん。『幸せポイント』は人を幸せにすることで得られるポイントなんだよ?」


「そんなのわかってる! だからあたしは――」


そこまで言って、言葉を切った。


ジッとテンちゃんを見つめる。


「イジメに加担することが、誰かを幸せにすることに繋がると思う?」