次の休憩時間になるとあたしは教室から……いや、美鈴たちから逃げるようにトイレへ立った。


『ちょっとトイレ』


だなんて口が裂けても言えない。


そんな事を言えば4人でぞろぞろとトイレを占領しに行くことになるからだ。


トイレの個室へ入るとホッと息を吐き出した。


肩の荷が下りたような軽さを感じる。


教室の椅子に座って友人たちと会話をする。


ごく当たり前の事がいつの間にか苦痛に感じるようになっていた。


あたしはいつまで彼女たちとおしゃべりをして、時々買い物なんかに付き合って、休日まで縛らせないといけないんだろうか。


そんな風に考えてしまうのだ。


決して友人たちの事が嫌いというワケじゃない。


むしろ、ノリの悪いあたしを仲間に入れてくれて嬉しいとさえ感じている。


彼女らがいないと、あたしは教室で孤立していたかもしれない。