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教室内はいつもの変わらない風景があった。


誰も、あたしが昨日死んだことを知らないらしい。


そりゃそうか。


死んだあたしがこうして登校してきているんだから。


「蘭、おはよ!」


早苗が元気な挨拶と共にあたしの肩をポンッと叩いて来た。


「おはよう」


あたしは笑顔で挨拶を返す。


それは表面上に張り付けられた笑顔で、いつも不自然になっていないかあたしを不安にさせた。


だけど早苗はそんな事気にする様子もなく、昨日見たテレビドラマの話を始めた。


そうこうしているといつものメンバーがどんどん登校して来て、あたしの周りは固められていく。


色んな場所からいろんな会話が飛び交って、あたしの頭の中は言葉がグルグルと回りはじめる。