今だって、自分たちの会話について考えていた。


その結果何を話しているのか聞きのがしてしまっただけだ。


だけど彼女たちからすればあたしはぼーっとしている存在で、何も考えていなさそうなのだそうだ。


「いいよね蘭の性格って。悩みなんてなさそうだもん」


あたしの左側に立っている黒瀬美鈴が(クロセ ミスズ)が大げさにため息を吐いてそう言った。


それに同意する早苗と香織。


彼女たちは自分より異質だとか、劣るだとか思えるものを見つければ、一旦はそれを否定し、見下し、バッシングする。


そうすることによって自分たちの立ち位置を優位にし、自分の居場所を確立させるのだ。


時には人の上に立つ事で自分の存在意義を再確認しているのかもしれない。


そして必ず、異質で弱いものでも受け入れるという態度を見せるのだ。


「まぁそれが欄のいい所だよね」


ほらね。


美鈴は最後まで言い切った事に満足したのか、満面の笑みを浮かべている。