泣いても笑っても、今日は今日しかない。


同じ日は二度とこない。


それなら笑って過ごしていたい。


みんなと一緒に、美鈴たちに負けないくらいの大きな声で笑いたい。


それは早苗と久志も同じ考えだったようで、学校へ行ってからのあたしたちは終始笑顔だった。


ワイワイガヤガヤ楽しんでいるあたしを見て、正樹たちは不愉快そうだったが、そんなこと関係なかった。


この一瞬をもっともっと大切に、優しさで包まれるようにしたかった。


クラスメートたちは驚いた顔をしていたけれど、次第にあたしたちの周りに集まってくるようになった。


誰だって、明るくて楽しい事は好きだ。


意識していなかったものの、あたしたちの笑い声は周囲を巻き込んで行った。


「あのさぁ、ちょっといい?」


放課後、3人で教室を出ようとした時、美鈴が声をかけて来た。


その表情は明らかに怒っている。