この日も、あたしは10ポイントを貰えた。


やったことと言えば少女を助けたくらいなものだったけれど、テンちゃんは昔の自分を思い出した事を評価してくれた。


大切な記憶をないがしろにしてしまうことは、自分自身を傷つけているのだと同じ事だと、テンちゃんは言った。


昨日お願いした寿命については、まだ神様と交渉中ということだった。


小さな女の子と触れ合ったせいだろうか、あたしは自分の幼い頃の夢を見ていた。


たくさんの友人たちに囲まれて小学校のグラウンドで遊んでいるあたし。


1人になっている子がいれば、必ずその子も誘って一緒に遊んだ。


そんなあたしを見て、指を指す子もいた。


だけど幼いあたしはそんな事気にしていなかった。


あたしが優しくしたいから、優しくするんだ。


そこに文句なんて必要ないはずだ。


そう思い、自分のやっていることだって後悔した事は1度もなかった。


夢の中の世界では、あたしが変わる必要なんてどこにもなかった……。