翌日。


あたしは一睡もできないまま朝を迎えていた。


泣いても泣いても涙が出て来て止まらない。


頭は痛いし目は腫れてしまっていた。


鏡の前に立ち、自分の顔を見て大きくため息を吐き出した。


こんなんじゃ学校へも行けないし、親に顔を見せる事もできない。


出かける前の両親にちょっと熱っぽいからと嘘をつき、あたしは再びベッドのへと戻っていた。


早苗と久志は心配するかもしれないけれど、こんな顔を見せる方がよほど心配かけてしまうかもしれない。


美鈴や正樹が今日はどんなことを仕掛けて来るのか気がかりだったけれど、1度ベッドに戻ってしまった体は簡単には起き上がる事ができなかった。


目を閉じると少しだけ気持ちが楽になる。


できたらこのまま眠ってしまいたいのに、やっぱりそれは難しかった。


昨日の出来事が尾を引いている。


大きくため息を吐き出して、ふと気が付くことがあった。


思えばあたしは、自殺をしてからの方が頑張っているような気がする。


自殺をする前はすべてがどうでもよかったのに、今は正反対だ。


「なんだか損してるよなぁ」


あたしはそう呟き、小さく笑った。