あたしは大馬鹿者だ。


自分のベッドにゴロンと横になり、天井を眺めてそう思う。


早苗の泣き顔を思い出すと、自分も涙があふれて来た。


外はもう真っ暗でもうすぐテンちゃんが来るというのに、お風呂にも入っていない。


今日の出来事を思い出すと、なにかをする気になれなかったのだ。


早苗はあんなにいい子だったのに、どうしてあたしはそれに気づく事ができなかったんだろう。


あたしは今まで早苗の言葉すら適当に聞き流してきていたんだ。


「あたしは最低な人間だ」


そう呟くと、涙が頬を流れて行った。


今更早苗の優しさに気が付いたって遅い。


もう、あたしは取り返しがつかないことをしてしまったのだから。


「情けないなぁ、もう」


涙が止まらなくて手の甲で拭う。


こんな事になってようやく近くにある優しさに気が付くなんて。


後悔してもしきれない。


「蘭ちゃん」


聞きなれた声が聞こえて来てあたしは視線を向けた。