奏でるものは~第4部 最終章~



父が運転する車に乗るのは久しぶりだが、私の機嫌は最悪なので、楽しそうに話す両親の声を聞きながら、後部座席から窓の外を見ていた。


うまく笑えるのだろうか、自信ない。


そう言えば、お祖父様とお父様も知り合いで、ってこれは、やっぱり政略結婚?

まあ、断るお見合いなんだから、と思っても、状況によっては断れないなんて、まさか、ないよね?




振り袖の帯があるので、ゆったりもたれることも出来ず、姿勢よく座っているしかなかった。