奏でるものは~第4部 最終章~




絶対、面白がってる。

てきぱきとカーラーを巻いて、化粧も始める。

最近のことを喋りながらも手は休めない。

一時間程で仕上がったヘアメイクは、キレイにしてくれていた。


ちょうど、両親が乗った車が見え、母が迎えに出て来た。


「あら、ステキ。前橋さん、ありがとう」


料金を払って、店を出ると、昌さんも見送りに出てくれる。


車に乗る前に

「じゃ、報告待ってるよ」

とニヤリとしながら言われた。


「完全な拉致よね、これ」


と愚痴を言って車に乗り込んだ。