奏でるものは~第4部 最終章~



ホテルからタクシーで帰った。



仕事のせいで結婚出来ないなら、仕事を辞める、なんて考えが甘いのよ


せっかくのプロポーズされた喜びが、結局、考え方の違いを露呈させ、落ち込むよりも腹がたった。


結婚するためにまず出来ることを話し合わないといけなかったはずなのに、仕事辞めるなんて言うから、こんなことになるのよ。


お互い、仕事を辞めずに幸せな結婚をすることができる方法を見つけなければならないのに。


駆け落ちする、とでも言ったらこんなことにはならなかったのかな?
でも、優人さんは、本気にしそうだから、絶対言わないけど。


私達はまだまだ、若輩者なんだわ。


家に着いても、腹立ちが治まらず、部屋でゴロゴロしていた。