奏でるものは~第4部 最終章~



「家がお金持ちだから、青蘭に行ったわけではなく、将来のため、ご両親が行かせてくれたんだと思う。

留学だってそうでしょ?

何もかも捨てるなら、結婚はできないわ」


「そうかもしれん、な」


苦笑いで納得したような優人さんが続けた。


「じゃあ、政略結婚を持ちかけられたら、歌織はどうする?」

「政略結婚?」


頷く優人さんの顔を見ながら、随分前のお見合いの話を思い出した。


「一応、断る、かな」

「じゃあ、俺に政略結婚の話がきたら?」

「断ってほしいけど、無理なら心からのお祝いを送るわ。
盛大に、ね」



「マジで言ってる?それ」