「家がお金持ちだから、青蘭に行ったわけではなく、将来のため、ご両親が行かせてくれたんだと思う。
留学だってそうでしょ?
何もかも捨てるなら、結婚はできないわ」
「そうかもしれん、な」
苦笑いで納得したような優人さんが続けた。
「じゃあ、政略結婚を持ちかけられたら、歌織はどうする?」
「政略結婚?」
頷く優人さんの顔を見ながら、随分前のお見合いの話を思い出した。
「一応、断る、かな」
「じゃあ、俺に政略結婚の話がきたら?」
「断ってほしいけど、無理なら心からのお祝いを送るわ。
盛大に、ね」
「マジで言ってる?それ」

