奏でるものは~第4部 最終章~



驚いた。

何もかも捨てる覚悟?



「あのね、私は両親を見て育ったの……」

姉が亡くなっても私の前で辛そうな顔を見せなかったこと、私が好きなことをずっとさせてもらったこと、そしてそれは二人が信頼感と愛情を持っていたから。

私が姉の死を乗り越えられたのは、外部受験を応援してくれていた姉の人柄と、両親が悲しみすぎる姿を私の前で見せなかったことだと思う、と伝えた。


「そんな両親みたいな夫婦になりたいし、だから両親が困るような結婚はできない。

でも、優人さんの他には結婚したいと思わない。

いつも私の我が儘ばかりきいてくれて、ありがとう。

ずっとあなたが好きなのよ。
あなたと結婚したい」



そこまで言って、キスをされた。



逃げようがないくらいに抱き締められながら、熱いキスをされる。



寝室に連れて行かれて、私達はお互いを求めあった。