奏でるものは~第4部 最終章~



心の中で、身内で固める上層部、と思われているかもしれないが、サイタグループはそのやり方で今までやって来たのだ、サイタに生まれた以上仕方ないと、腹をくくった。



今まで熊野として所属していた仲間のところにいくと、

「サイタ家の人だったんですね」

今年度入社の唯一の後輩に言われた。



「もしかして、私達の人物評価も兼ねてた?」

先輩の葉月さんに聞かれる。



「いやいや、それはないですよ
ってか、今までと私自身は変わらないですし、今持ってる仕事はやりとげます。

皆さん、これからもよろしくお願いします」



「後輩上司ってことか、やりにくくなるのかしら?」



「え~、敬語も要らないし、現場の仕事はずっとやっていきますよ。
まだまだ覚えることがたくさんあるので、よろしくお願いします」